こんにちは。

弁護士の星野です。

「お客様は神様」という言葉は、お店側の丁寧な接客を心掛けるというものにすぎず、お客さんが偉いわけでも何でもありません。お客さんとお店は対等な契約(飲食物提供契約等)の当事者にすぎません。

お店側の不手際でお客さんにご迷惑をおかけした場合は謝罪をすることも必要だと思いますが、悪質なクレーマーも存在するので、要求の内容・程度等を考えながら対応する必要があると思います。

お店側に謝罪すべきことがあれば、その限度で謝罪すればいいのですが、お客さんの過剰な要求に付き合うのは時間の無駄です。

また、謝罪をしても執拗に過剰な要求してくる方に丁寧すぎる対応をすれば、より過剰な要求を誘発しかねませんので、あまりにも過剰な要求があれば、「会社の法務部で相談しつつ対応させていただきます」、「顧問弁護士に相談して対応させていただきます」という回答をして後日連絡するという方法を提案し、その場ではお帰りいただくことが有効です。

仮に相手方に何らかの損害が生じたとしても、お店側に過失があるのか?損害額が適正であるのか?等、その場で判断できないことはいくらでもあるので、その場で解決する必要は全くありません。

それでも、過剰な要求を繰り返し、退店されず、かつ、営業妨害と評価しうる場合は躊躇なく警察を呼べばいいと思います。

SNSで店の悪口を書かれる等の風評被害があり得ますが、店側が上記の対応をし、具体的な経緯を説明すれば店側に問題がないことを世間にアピールできると思われます(念のため、スマホの録音アプリで録音できればいいと思います。)。

重要なことは①悪質なクレーマーが存在すること、②その場で判断せず後日連絡する方法もあること、③非常に悪質な場合は警察に連絡することをお店のスタッフ全員が意識しておくことです。

お店側に法務部や顧問弁護士がなくとも、その場では知り合いの弁護士に相談すると言って、後日、市役所や弁護士会等の無料相談を利用すればいいと思います。

なお、早期に収束させるために何らかのサービスを提供することも一つの方法ですので、その場合はお店の責任者が柔軟に対応すればよく、事前に何らかのサービス内容を考えておくことも有効だと思います。

 

 

LINEで送る
Pocket